内田皿山焼
木山勝彦

木山勝彦(きやま かつひこ)-天草郡苓北町-

1944年熊本県天草郡生まれ。
1970年にタコ壺などを制作していた窯を引き継ぎ、古陶の陶片の発見を機に
「内田皿山焼」を開窯し、手法を復元。
次世代の陶芸家を育成しながら、多彩で手ごろな作品を手がける。
「平成25年度荒木精之記念文化功労者賞受賞」
※熊本の文化振興に尽くした故荒木氏を記念した賞。

木山健太郎

木山健太郎(きやま けんたろう)

1974年熊本県天草郡生まれ。
1998年京都工業試験場研修生、 1999年同専科生として焼物を学び京都での
陶芸修業を経て天草に戻り家業に就く。
内田皿山焼2代目として作陶し、県内はもとより全国各地に天草陶磁器を広めるため
展示会を開催する。

野生イルカが多数生息する天草下島の天草郡苓北町。国道389号線から少し入った広い敷地に「内田皿山焼」の工房が建ち並ぶ。初代窯元 木山勝彦は、1970年にタコ壺などを焼いていた窯を引き取り、工房を作り直すべく造成をしていたところ、江戸時代ごろの古い磁器の陶器がザクザクと見つかった。すぐ近くには陶石の発掘跡も発見されたという。その後、町が行った発掘調査によりこの窯が1650年頃から約100年間にわたって磁器を生産していた窯だったことが判明。日本有数の歴史を持つ"幻の窯"を再興すべく、木山勝彦は本格的に食器などを中心とした天草陶磁器への取組を決意。その後、天草陶磁器の知名度を全国的にアピールしようとまわりの窯元に呼びかけ、振興会を発足させ、2003年には「天草陶磁器」が国の経済産業大臣指定の伝統工芸品に指定された。



自ら地元で採掘する天草陶石や志岐粘土を使い、磁器だけではなく陶器まで手がけているのは、全国的にも珍しい。さらに釉薬には、江戸時代の陶片にも形跡が見られる天然柞灰(いすばい)を使用。自ら柞の木を育てて特別に作っている。こちらで作っているものは手ごろな日常使いの器が中心だが、かわいい子供向けの動物ガラから伝統模様の壺まで、その多彩なバリエーションは県内随一。開窯から20年近く木山さんが中心となって取り組んできたが、10年前からは内田皿山焼2代目木山健太郎が全国各地に天草陶磁器を広めるための活動を行っている。